2024年12月末に国内配給の権利が終了することを受け、12月6日(金)よりBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下にてクシシュトフ・キェシロフスキ監督の傑作『デカローグ デジタルリマスター版』の最後の劇場上映が決定しました。権利の終了後、しばらく劇場での上映の機会はないことが予想され、本上映はスクリーンで鑑賞できる貴重な機会となります!
1994年に公開され、日本でもヒットを記録した「トリコロール三部作」(『青の愛』『白の愛』『赤の愛』)や『ふたりのベロニカ』などで知られ、日本でも多くのファンを持つポーランド映画界の巨匠クシシュトフ・キェシロフスキ。そのキェシロフスキが 1988年に発表した歴史的傑作『デカローグ』。2021年には【生誕80年記念】としてデジタル・リマスター版が全国で劇場公開され好評を博しました。もともとテレビシリーズとして製作されたが、その質の高さが評判を呼び、1989年ヴェネチア国際映画祭でお披露目されたのちに世界中で高い評価を獲得しました。映画監督のスタンリー・キューブリックが「重要な映画」と絶賛したのをはじめ、エドワード・ヤン、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)など世界の映画作家たちが次々と賞賛の言葉を投げかけました。また、日本では2024年にオリジナル脚本をもとに舞台化され、新国立劇場で4月から7月にかけて上演されたことも大きなニュースとなりました。
「人はなぜ生きるのか?」生きていると必ず直面する人生のあれこれ。愛、孤独、性、金、信仰、家族、過去、そしてクリスマス…
本作『デカローグ』は、旧約聖書の「十戒」を下敷きに、ワルシャワ郊外の巨大団地に暮らす人々の幾通りもの人生模様を綴った各約1時間/全10篇からなる連作集。それぞれのエピソードが、ひとつの完結した物語として独立しており、さまざまな人間ドラマを映し出します。社会主義体制下にあったポーランドで製作された作品だが、社会・政治などの要素を劇中からは排除し、まるでキャラクターの心の中を顕微鏡で覗き込むかのように、日々に希望を見出そうともがきながら現代に生きる人々の孤独と愛の苦悩を見事なまでに鮮烈に浮かび上がらせています。鋭くも優しく、あたたかいキェシロフスキの眼差し。本作で描きだした10通りの人生は決して色褪せず、今を生きる私たちの心をふるわせ、希望を灯します。クリスマスが近づく寒い季節、《愛の映画作家》キェシロフスキが私たちに遺してくれた珠玉の名編たちをぜひ劇場の大きなスクリーンでご堪能ください。
作品情報
『デカローグ デジタル・リマスター版』★1989年ヴェネチア国際映画祭国際評論家賞受賞
2024年12月6日(金)より Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下にて最後の劇場上映
公式サイト
【エピソード/全 10 話】
I.ある運命に関する物語 56分
II.ある選択に関する物語 59分
III.あるクリスマス・イヴに関する物語 58分
IV.ある父と娘に関する物語 58分
V.ある殺人に関する物語 60分
VI.ある愛に関する物語 61分
VII.ある告白に関する物語 58分
VIII.ある過去に関する物語 57分
IX.ある孤独に関する物語 61分
X.ある希望に関する物語 60分
【スタッフ&キャスト】
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
脚本:クシシュトフ・キェシロフスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
音楽:ズビグニェフ・プレイズネル
出演:ヴォイチェフ・クラタ、クルィスタナ・ヤンダ、 アレクサンデル・バルディーニ、ダニエル・オルブルィフスキ、ヤヌシュ・ガイヨス、ミロスワフ・バカ、グラジナ・シャポウォフスカ、ズビグニェフ・ザマホスキ、イェジー・シュ トゥル ほか
原題:DEKALOG|1988 年|ポーランド作品|計 588 分|カラー|DCP|字幕:寺尾次郎/監修:沼野充義
配給:(株)アイ・ヴィー・シー|協力:TOMORROW Films.
©TVP – Telewizja Polska S.A.