阪神淡路大震災をモチーフに人間のどうしようのない“おかしみ”を描いた映画『笑え』を含む「太田真博監督初期作品集」が5月25日の1日限定で東京・シネマハウス大塚にて無料上映されます。今回の無料上映は太田監督の最新作『エス』の全国上映へ向けたクラウドファンディング開始を記念したものとなっています。クラウドファンディングのリターンは、脚本家・大野敏哉(『不死身ラヴァーズ』『約束のネバーランド』)と太田監督の対談音声、逮捕歴のある太田監督の手記や過去に手がけた舞台の上演台本、本編へのクレジットなど。詳細は以下よりご確認ください。
被災者と非被災者の分断描く会話劇『笑え』
本作の主人公は、「舞台・阪神淡路大震災」の千秋楽を明日に控える舞台俳優・オオタ。滝藤賢一が好演しています。撮影当時は2008年と、滝藤がブレイクする直前のこと。「舞台・阪神淡路大震災」出演者の中で、ただひとり実際に1995年に被災している座長(社城貴司)と、当時の被災経験を持たないオオタら6人の俳優たち。両者の溝は稽古を重ね、各地で公演を催すごとに広がっていました。この日はオオタの提案によって、両者が正面を切って向き合うこととなる。7人の俳優たちが一晩中モメまくる様子は、さながら世の中に顕在する数々の分断の縮図のよう。オオタは明らかに面倒くさそうですが、それでも逃げずに粘り強く対話を続けます。俳優たちは、千秋楽の公演を気持ちよく迎えられるのでしょうか。
本作の監督、太田真博は自身の逮捕経験から着想した物語『エス』で2024年1月に長編劇場公開デビューを果たしました。今回の上映に際しては、15年ほど前に仲間と撮ったという自主映画3本を自らセレクトしています。このうち2本が滝藤賢一主演作です。『笑え』も『エス』と同様、太田監督の実体験が3割ほど含まれているそうです。自身がモデルだという主人公の対話をあきらめない姿勢について太田監督は「どんな人とでも一瞬だったらわかり合えるんじゃないかというのが、当時も今もおそらく僕が人間関係に持っている唯一の希望なんです。オオタの言動の裏にもそういうものがあったのではないかと想像します」と語っています。
「太田真博監督 初期作品集」開催概要
日時:2024年5月25日(土)14:30~
上映作品(上映順):
『ドリブラー』(45分/2006年/滝藤賢一主演)
『笑え』(43分/2008年/滝藤賢一主演)
『LADY GO』(25分/2009年)
※上映後、太田真博監督によるトークあり。
会場:シネマハウス大塚(東京都豊島区巣鴨4-7-4-101/JR大塚駅徒歩7分)
入場料:無料
予約・お問合せ:s.eiga.cf@gmail.com (映画エス応援プロジェクト事務局)
※映画『エス』公式サイトにも詳細を随時アップ予定。