ジャック・タチ作品に大きな貢献を果たし、映画監督や俳優として活躍したフランスの才人ピエール・エテックスの特集上映<ピエール・エテックス レトロスペクティブ>が、12月24日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開中です。
ピエール・エテックスとは
イラストレーターとして活躍していた20代半ばにジャック・タチと出会い、『ぼくの伯父さん』(1958)の助監督として映画界に参入したピエール・エテックス。ムッシュ・ユロを象徴する印象的なシルエットを生み出したポスターのイラストを描いたことでも有名です。その後、タチを通じて知り合ったジャン=クロード・カリエール(後にルイス・ブニュエル作品『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』など数多くの作品を手掛ける名脚本家)と共に映画制作を始めます。短編2作目『幸福な結婚記念日』で米アカデミー賞最優秀短編実写映画賞を受賞し、長編1作目『恋する男』がフランスで大ヒット、往年の喜劇を彷彿とさせる作品群は広く受け入れられました。一方エテックスは俳優としてのキャリアも長く、ロベール・ブレッソンの『スリ』から、アキ・カウリスマキの『ル・アーヴルの靴みがき』やオタール・イオセリアーニの『皆さま、ごきげんよう』など、晩年まで活躍しました。
今回の特集上映の注目ポイント
本特集では、ルイ・デリュック賞受賞作『恋する男』、トリュフォーが絶賛し、ゴダールがその年のベストテンに選出した代表作『ヨーヨー』、4編のオムニバス・コメディ『健康でさえあれば』、中年男性の恋と妄想を夢幻的に描く初のカラー長編『大恋愛』の長編4作品と、『破局』、アカデミー賞受賞作『幸福な結婚記念日』、『絶好調』の短編3作品の計7作品がラインナップ。これらの作品は、フランスの権利問題が理由で長く劇場で上映されず、またソフト化もされていなかったもので、ジャン=リュック・ゴダールやレオス・カラックスなどの映画人を含む5万人以上の署名活動によって、2010年に世界各国で再び上映することが可能となりました。
作品ラインナップ
長編作品:『恋する男』『ヨーヨー』『健康でさえあれば』『大恋愛』
短編作品:『破局』『幸福な結婚記念日』『絶好調』
<ピエール・エテックス レトロスペクティブ>開催概要
日程:2022年12月24日〜2023年1月20日
場所:シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
公式サイト