本映画祭は、ソビエト連邦解体・中央アジア5カ国の独立から30年という節目にあたる昨年12月に初開催し、目にする機会がほとんどない貴重な上映ラインナップが大変好評を博し、本年も開催の運びとなりました。
激動が続くユーラシア。その中央に位置するのは、ソ連から独立を果たし30年を経た中央アジアの国々。欧州・中東・アジアの歴史・文化が交わる、“多様性のるつぼ”中央アジアの世界へふたたび。
中央アジアはユーラシア大陸中央部の内陸地域で、カザフスタン、キルギス(クルグズスタン)、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンの5カ国が該当します。加えて、中国の新疆ウイグル自治区は不可分の関係にあり、タタルスタンやバシコルスタンといったロシアのムスリム地域、アフガニスタンとも深いつながりを持つ。東アジアと西のイスラーム・西欧世界の交点にあった中央アジアは、テュルク系遊牧集団による征服やイスラーム化といった歴史を経て、複雑に文化が交わる場所として長い道のりを歩んできました。20世紀は長くソビエト連邦の支配下で社会主義体制をとってきましたが、1991年のソ連解体と前後して5カ国が独立国となりました。ウクライナ戦争を経て現在、北のロシアとは距離をとりつつある一方、南にはアフガニスタンの国内勢力伸張という不安定要素を抱え、この地域の行方には大きな関心が注がれています。“多様性のるつぼ”として長い歴史を誇り、激動が続くユーラシアの中で大きな変化を遂げている中央アジア。その唯一無二の道のりと変幻自在の世界観を映画で追っていきます。色とりどりの7作品で中央アジアに目を澄ます、温故知新のシネマトリップ第2弾開幕!
今回は中央アジアのカザフスタン、キルギス(クルグズスタン)、タジキスタン、ウズベキスタンと、これらの国と深いつながりを持つアフガニスタンを加えた5つの国の新旧7作品を一挙上映(2作品は日本初公開、4作品は日本劇場初公開)。中央アジアを代表する巨匠トロムーシ・オケーエフ監督の第35回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作『白い豹の影』、独立後の変革期に裏社会を拳ひとつでのし上がっていった男を描き、カザフスタンで大ヒットを記録した『ゆすり屋』、先住民と移民の隣家の愛憎劇をベースに民族・世代・家族の対立をユーモアたっぷりに描いた『南の海からの歌』等、充実のラインナップとなっています。
<中央アジア今昔映画祭2022>開催概要
開催日程:
ユーロスペース:12/10(土)~12/30(金)
フォーラム仙台:12/9(金)~12/22(木)
横浜シネマリン:12/10(土)~12/23(金)
名古屋シネマテーク:12/17(土)~12/30(金)
出町座:12/16(金)~12/22(木)
第七藝術劇場:12/24(土)~12/30(金)
元町映画館:12/17(土)~12/23(金)
横川シネマ:12/16(金)~12/22(木)
上映作品(7作品):
『白い豹の影』
『小さなアコーディオン弾き』
『右肩の天使』
『ゆすり屋』
『南の海からの歌』
『狼と羊』
『不屈』
主催・配給:トレノバ
公式サイト
文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業