『ニクスの怪物』とは

本作は2019年に亡くなったスペインの鬼才ROSTOが5年の歳月をかけ、自身の持つ才能すべてを注ぎ込んで紡ぎあげた伝説のパペット・ミュージカル・アニメーションです。ROSTOと親交が深かった友人たちの声優参加も話題です!テリー・ギリアムは、恐怖に陥って森の小屋に閉じ込められたレンジャー、そしてトム・ウェイツは恐ろしい真っ黒なツバメ・バージルの声を演じています。作曲はミュージカルが大嫌いとインタビューで語っていたROSTO自身が担当しています。演奏は大所帯で有名なメトロポール・オーケストラです。
ROSTO(1969-2019)

最初の短編映画「(伝説の)アングロビリー・フィーバーソンの興亡」(2002年)と「ジョナ/トムベリー」(2005 年カンヌ国際映画祭Canal+グランプリ受賞)は、数々の権威ある国際映画祭で上映され、世界的な評価を得ました。これらの短編映画は、オンライング・ラフィックノベルから始まり、音楽、小説、そして映画へと展開した複合メディア・プロジェクトの「MIND MY GAP」の一環でした。こうした「MIND MY GAP」プロジェクト作品が2015 年のリュブリャナ近代美術館を含むいくつかの国際映画祭で注目され、ロストの作品は、国際的な音楽アーティストの注目も集めました。 本作『ニクスの怪物』(2011)では、メトロポール・オーケストラ、トム・ウェイツ、テリー・ギリアム、ザ・レジデンツ、ザ・ドーらとコラボレーション作品となっています。ロストは並行して音楽プロジェクト「ジー・レッカーズ」をフィーチャーした4部作に着手、シリーズの1作目『うちが一番』(2008年)を発表、2作目『ロンリー・ボーンズ』(2013)はオタワ国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞しました。 『スプリンタータイム』(2015年)、『リランズ』(2018年)で、この「ジー・レッカーズ」四部作は完結します。ロスト監督は自身初の長編映画の開発に挑みますが、2019年病気のため、急逝。4部作は彼の死後、フランスの制作・配給会社オトゥード・ミヌイット主催のミハエル・シュマーキンによって『四つの悪夢』に纏められ、ドキュメンタリーと合わせてヨーロッパ各国で上映されました。

ROSTO 追討上映<存在証明> 8/16(土)よりイメージ・フォーラムにて先行公開
スペインの鬼才アルベルト・バスケス(『ユニコーン・ウォーズ』)、カナダの鬼才ガイ・マディン(『ギムリ・ホスピタル』)など、国内で知られざる才能を発掘、紹介する Riskit Black Label によるオランダの芸術家ROSTOの追悼上映企画<存在証明>。遺作となった『四つの悪夢』(45分)とドキュメンタリー(20分)に加え、『ニクスの怪物』がラインナップに加わった合計95分の特集上映となっています。
『ニクスの怪物』
原題:THE MONSTER OF NIX
監督・脚本・作曲:ROSTO 演奏:メトロポール・オーケストラ
<2011/オランダ・フランスベルギー/英語/日本語字幕/DCP/30分>
提供:Riskit Black Label/Simple⁺
配給:リスキット
『四つの悪夢』
<2020/フランス・オランダ/カラー/DCP/英語・日本語字幕/45分>
監督:ROSTO 原題:THEE WRECKERS TETRALOGY
“No Place Like Home_うちが一番”(2008)
“Lonely Bones_孤独な骨”(2013)
“Splintertime_スプリンタータイム”(2015)“
“Reruns_再生”(2018)
ドキュメンタリー
『すべてが変わったようで、何も変わっちゃいない』
<2020/フランス・オランダ/カラー/DCP/英語・日本語字幕/20分>
ロスト監督追悼上映企画<存在証明> 予告編はこちら