社会の暴力に対し音楽を武器に闘う若者たちを映したドキュメンタリーを2本立て上映
韓国でインディー音楽家たちとうどん家が共闘して土地買収に抗う姿を記録した『パーティー51』(韓国/2013)、初の極右政権成立にゆれるブラジル社会を学校占拠という抗議運動に身を投じた高校生たちの視点で描き出す『これは君の闘争だ』(ブラジル/2019)を上映いたします。2010年代の韓国、ブラジルでの運動を映した2本を通して、停滞する現在の日本社会を生きる我々を内側から揺さぶるプログラムとなっています。
また、2作品の上映後に、『布団の中から蜂起せよ:アナーカ・フェミニズムのための断章』(2022/人文書院)を上梓した、ライターでアナーカ・フェミニストの高島鈴氏が登壇します。体制からの抑圧に抗するコミュニティにおける男性中心主義や女性蔑視といった、さらなる弱者差別への問題意識から2本の映画に補助線を引いて考えを深める場も企画しています。
<上映作品>
『パーティー51』
韓国/2013/韓国語/カラー/DVD/101 分
監督:チョン・ヨンテク
製作:51+ film
配給:Offshore
韓国の音楽文化の聖地、ソウル・弘大(ホンデ)。年々ライブハウスの数は減少し、2010 年にさしかかると、加速する再開発によって家賃が高騰。貧困に直面するインディー音楽家たちが出逢ったのは、立ち退き拒否で立てこもりを続ける食堂「トゥリバン」の店主夫妻。ともに強制撤去に抗い、来たるメーデー120 周年の日、参加バンド 51 組超えのフェスを開催した——群衆、絶叫、爆音で鳴らしまくる音楽! 小さな食堂が生んだ“ウッドストック”さながらの狂熱は、作家に映画人までをも巻き込んで、社会を底から揺らしだす。労働者たる音楽家たちとうどん屋の1年半に及ぶ共闘の記録。
『これは君の闘争だ』
ブラジル/2019/ポルトガル語/カラー/Blu-ray/93 分
監督、脚本:エリザ・カパイ
撮影:エリザ・カパイ、ブルーノ・ミランダ
編集:エリザ・カパイ、ユリ・アマラウ
音楽:Décio 7
ナレーション:ルーカス・“コカ”・ペンチアド、マルセラ・ジェズ
ス、ナヤラ・スーザ
音響:Confraria de Sons & Cigars
プロデューサー:アリアナ・ジェネスカ
配給:太秦
マイクチェックから始まるこの映画は、2010年代を生きるブラジルのティーンたちによる力強いスピットのリレーで語られる抵抗の記録である。カメラが捉えるその自律的空間は、学生運動の場というよりも熱を持ったクラブのフロアに近い。公共交通機関の値上げや学校再編といった身近な問題から、貧困、性差別、人種差別、独裁、極右政権の誕生などの様々な社会問題に対して、仲間とともに真正面から思考し抗うその姿は、荒削りながら観る者に瑞々しいパッションと社会への関心を呼び戻してくれる。社会は本来誰のものだ?薄汚い政治家や資本に毒されたダサい大人のものではない。私たちのものであり、君のものである。
開催情報
7月27日(土) Space&Cafe ポレポレ坐にて 2 本立て上映
タイムテーブル
受付・開場 17:00
開映 17:30~19:11 『パーティー51』 (101 分)
19:20~20:53 『これは君の闘争だ』 (93 分)
21:00~21:30 高島鈴さん、CINEMA DoDuk スタッフによるトーク(約 30 分間)
会場:Space&Cafe ポレポレ坐(東京都中野区東中野 4-4-1 ポレポレ坐ビル 1 階/TEL:03-3227-1445)
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料金:一律 2,000 円+ドリンク代 500 円(一日通し)
予約:ご予約フォームURL(グーグルフォーム)
*定員 80 名/事前予約優先
©51+film
©CINEMA DoDuk